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PSEマーク(電気用品安全法)とは?技術基準の内容や対象製品、事業者の義務をわかりやすく解説

コンセントに差し込んで使う家電製品や、スマートフォンなどの充電に使うリチウムイオンバッテリー。これらを日本国内で販売する際に、必ずと言っていいほど目にするのが「PSEマーク」です。

「PSEマークがついているから安全だ」とはなんとなく理解していても、具体的にどのような「技術基準」をクリアしなければならないのか、どのような手続きが必要なのかについては、意外と知られていません。特に、新しく電気製品の輸入や販売を検討している事業者の方にとって、このPSE技術基準の理解は、法令遵守(コンプライアンス)の観点から非常に重要です。

この記事では、PSE技術基準の基本的な考え方から、対象となる製品の分類、事業者が守るべき具体的な義務について、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。

目次

PSEマークと電気用品安全法の基礎知識

まずは、PSEマークの根拠となる法律「電気用品安全法」について整理しましょう。

電気用品安全法は、電気用品による危険(感電や火災など)や障害の発生を防止することを目的とした日本の法律です。この法律によって、特定の電気製品を日本で販売するためには、国が定めた技術基準に適合していることを証明する「PSEマーク」を表示することが義務付けられています。

PSEとは「Product Safety, Electrical appliance and materials」の略称です。このマークがない対象製品を日本国内で販売することは法律で禁止されており、違反した場合には罰則や製品の回収命令が下されることもあります。

PSE技術基準とは何か

PSE技術基準とは、電気製品が安全に使用できることを保証するために定められた、具体的な「技術的なルール」のことです。製品の構造、性能、使用される部品の強度、絶縁性能(電気が漏れない性能)など、多岐にわたるチェック項目が設定されています。

この技術基準には、大きく分けて2つの解釈方法(体系)があります。

省令第1項(日本独自の基準)

日本独自の安全基準をベースにしたものです。日本の電圧(100V)や周波数(50Hz/60Hz)、住宅環境、気候などに最適化された内容になっています。

省令第2項(国際規格に準拠した基準)

国際電気標準会議(IEC)が定めた国際的な安全基準に、日本独自の事情を反映させたものです。海外で広く流通している製品などは、この基準を用いて試験を行うことが一般的です。

事業者は、どちらの基準を採用して製品の安全性を確かめても構いませんが、選んだ基準のすべてを満たしている必要があります。

対象となる電気用品の2つの分類

電気用品安全法では、製品の危険度の高さに応じて、製品を「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」の2つに分類しています。

特定電気用品(菱形のPSEマーク)

構造や使用条件から、特に危険が発生しやすいとされる製品です。高い安全性が求められるため、国が登録した検査機関による「適合性検査」を受け、証明書を取得する義務があります。

  • 主な例: ACアダプター、電源プラグ、延長コード、電線、マッサージ器など(全116品目)

特定電気用品以外の電気用品(丸形のPSEマーク)

特定電気用品ほどではありませんが、一定の安全性を確保する必要がある製品です。こちらは検査機関による強制的な検査は必要ありませんが、メーカーや輸入事業者が自ら技術基準への適合を確認(自主検査)し、記録を保存する必要があります。

  • 主な例: 電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ、LED電球、リチウムイオン蓄電池など(全341品目)

具体的な技術基準のチェック項目

PSE技術基準では、具体的にどのような点を確認するのでしょうか。代表的な検査項目をいくつか紹介します。

1. 絶縁耐力試験

製品の電気回路と、人が触れる外枠などの間に高い電圧をかけ、絶縁(電気が漏れないこと)が保たれているかを確認します。これにより、感電事故を未然に防ぎます。

2. 温度上昇試験

製品を通常通り使用した際、内部の部品や外装が異常に熱くならないかを確認します。部品の劣化や火災の原因になるような熱を持たないことが求められます。

3. 外郭の強度

製品を落としたり、ぶつけたりした際に、中の電気部品が露出しない程度の強さがあるかをテストします。

4. 燃焼性試験

万が一、内部で火花が散ったとしても、製品のプラスチック部分などが簡単に燃え広がらないような素材(難燃性)が使われているかを確認します。

事業者が負うべき4つの大きな義務

PSE対象製品を取り扱う事業者(届出事業者)には、主に4つの義務が課せられます。

  • 事業届出の義務: 事業開始から30日以内に、経済産業局などへ事業の開始を届け出ること。
  • 技術基準適合の義務: 製品が最新の技術基準を満たしていることを確認すること。
  • 自主検査と記録の保存: 製造または輸入の際に検査を行い、その結果を3年間保存すること。
  • 適合性検査(特定電気用品のみ): 登録検査機関で検査を受け、有効な証明書を保持すること。

これらの義務をすべて果たした上で、初めて製品にPSEマークを貼付し、販売することが可能になります。

なぜリチウムイオンバッテリーはPSE対象なのか

最近特に注目されているのが、モバイルバッテリーなどに搭載されている「リチウムイオンバッテリー」です。かつては火災事故が多発したため、現在では「特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)」の対象となっています。

リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高いため、内部ショートや過充電が起きると発火・爆発の危険があります。そのため、PSE技術基準では「過充電防止機能」や「落下衝撃への耐性」が厳格に定められています。

PSEマークを確認する際の注意点

消費者の皆さんが製品を購入する際や、事業者が仕入れを行う際には、以下の点に注意してください。

  • マークの形: 製品の分類に合った正しい形(菱形か丸形か)がついているか。
  • 事業者名の表記: PSEマークのすぐ近くに、届け出た事業者名(略称や登録商標も可)が記載されているか。
  • 本体への表示: シールや刻印などで、製品本体に見えやすく表示されているか。

ネット通販などで極端に安価な製品の中には、これらの表示がなかったり、偽造されていたりするものも稀に存在します。安全のために、必ず正しく表示されているものを選びましょう。

まとめ

PSE技術基準は、私たちの日常生活に欠かせない電気製品を、安全に、そして安心して使うための「守り神」のような存在です。

事業者にとっては、基準の理解や手続きの煩雑さを感じることもあるかもしれませんが、これらはすべて消費者の命と財産を守るための大切なプロセスです。また、消費者にとっても、PSEマークの意味を正しく理解することは、自分自身や家族を守ることにつながります。

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この記事を書いた人

ブログ運営者。日常の気づきから、言葉の意味、仕組みやトレンドまで「気になったことをわかりやすく」まとめています。調べて納得するのが好き。役立つ情報を、肩の力を抜いて発信中。

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