SNSを見ていると、最近「ファンネル」という言葉を目にする機会が増えてきました。特にX(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄などで話題にされることが多く、「ファンネル飛ばしてきた」や「ファンネル化してる」など、独特の使い方をされています。
しかし「ファンネル」という言葉はもともとマーケティング用語やアニメ由来の意味を持つため、SNSでの使われ方を知らないと混乱してしまう人も少なくありません。この記事では「ファンネル」の意味や背景、SNSでの使われ方について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
ファンネルのもともとの意味
「ファンネル(Funnel)」は英語で「漏斗(ろうと)」を意味します。液体を移し替えるときに使う、先が細くなった器具のことです。そこから転じて、ビジネスやマーケティングの分野では「顧客が商品を知り、購入に至るまでの流れ」を示す概念として「マーケティングファネル」という言葉が広く使われています。
マーケティングにおけるファンネル
マーケティングファネルでは、顧客の購買行動を段階的に「上から下へ」流れるイメージで整理します。たとえば以下のような段階です。
- 認知(Awareness):商品やサービスの存在を知る
- 興味(Interest):関心を持ち、調べてみる
- 比較・検討(Consideration):他の商品と比べて検討する
- 購入(Purchase):実際に買う
このように「ファンネル」という言葉は、もともとビジネス用語として確立されたものです。
アニメに登場する「ファンネル」
「ファンネル」という言葉を知っている人の多くは、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズを連想するかもしれません。ガンダムシリーズに登場する「ニュータイプ」と呼ばれるキャラクターたちが操る、小型の遠隔兵器が「ファンネル」と呼ばれています。
これはパイロットが思念でコントロールする兵器で、一斉に敵を攻撃する姿が印象的でした。ファンネルが複数飛び交う様子は「自分の代わりに攻撃してくれる存在」というイメージにつながり、SNSでの比喩的な使い方へと広がっていきました。
SNSで使われる「ファンネル」とは?
では、現代のSNSで「ファンネル」と言うと、どういう意味で使われているのでしょうか。
ファンネルのSNS的な意味
SNS上では、「ファンネル」とは特定の人物を支持するファンやフォロワーが、その人の代わりに他者を攻撃する行為や人々を指すことが多いです。
たとえば…
- インフルエンサーや有名人が批判される
- 本人は直接反論しない
- 代わりにそのファンやフォロワーが相手を攻撃する
このとき、攻撃してきたファンたちを「ファンネル」と呼ぶわけです。まさに「ガンダムのファンネル」のように本人の代わりに動いて攻撃してくる、というイメージです。
ファンネルの具体的な使われ方の例
実際にSNSで「ファンネル」という言葉が出てくる場面をいくつか挙げてみます。
- 「あの人、批判されるとすぐファンネル飛ばすから怖い」
- 「本人は表向きは冷静だけど、ファンネルたちが総攻撃してる」
- 「ファンネル化したファンが周囲を萎縮させてる」
つまり、直接的に攻撃するのではなく、周囲のファンが“代理戦争”のように攻撃してくる状況を表す言葉として定着しています。
ファンネルの問題点
ファンネル現象は本人からすれば「ファンが自発的に守ってくれている」と見えるかもしれませんが、外から見ると次のような問題があります。
- 集団での過剰攻撃:批判や反論の規模が大きくなり、相手が萎縮してしまう
- 本人の責任回避:本人が直接言及しなくても、ファンネルが動くことで間接的に攻撃できてしまう
- SNS空間の分断:意見の違いが対話ではなく攻撃で処理されてしまう
こうした状況は健全な議論や交流を妨げ、炎上や対立を深める要因になることもあります。
ファンネルを避けるためにできること
SNSを利用する私たち一人ひとりにとっても、ファンネル問題は無関係ではありません。意識すべきポイントを挙げてみます。
- 批判と攻撃を区別する:意見を述べることと、相手を攻撃することは違います
- 本人とファンを混同しない:ファンの言動が必ずしも本人の意図とは限りません
- 煽りに乗らない:感情的に反応せず、落ち着いて対処する
- 建設的な意見交換を心がける:議論の場では相手を尊重する
特に影響力のある人は、ファンネル化を助長しないように注意することも重要です。
まとめ
「ファンネル」という言葉は、もともと「漏斗」や「ガンダムの兵器」の意味を持ちますが、SNSでは「特定の人の代わりに攻撃してくるファンやフォロワー」を指す比喩的な表現として定着しています。
一見するとユーモラスな言葉ですが、実際には誹謗中傷や炎上につながりやすい側面があるため、使い方には注意が必要です。SNSを楽しむ上では「ファンネル化しない」「ファンネルを飛ばさない」意識が大切と言えるでしょう。
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