SharePointを使ってファイルを共有する際、「リンクをクリックしたらすぐにダウンロードが始まるリンク(直接ダウンロードリンク)」を作りたい、というご要望は多いです。通常の共有リンクではWebブラウザ上でプレビュー表示されてしまい、ダウンロードまでにひと手間かかることも。この記事では、SharePointで直接ダウンロードリンクを作成する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。実際のリンク例や注意点も交えてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
通常の共有リンクと直接ダウンロードリンクの違い
まずは、SharePointで取得できる「通常の共有リンク」と「直接ダウンロードリンク」の違いを整理しましょう。
通常の共有リンクとは
通常の共有リンクは、ファイルを他の人と共有する際に発行されるURLです。例えば、以下のような形式になります。
https://example365.sharepoint.com/:x:/s/FAQ/A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6?e=AbCdEf
このリンクをクリックすると、Webブラウザ上でファイルのプレビュー画面が表示されます。WordやExcel、PDFなど、対応しているファイル形式であれば、ダウンロードせずに内容を確認できるのが特徴です。
直接ダウンロードリンクとは
一方、直接ダウンロードリンクは、クリックした瞬間にファイルのダウンロードが始まるリンクです。プレビュー画面を経由せず、すぐにファイルを保存したい場合に便利です。リンクの形式は以下のようになります。
https://example365.sharepoint.com/sites/FAQ/_layouts/download.aspx?share=A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6
このリンクを使えば、受け取った人はワンクリックでファイルをダウンロードできます。
直接ダウンロードリンクの作り方
SharePointで直接ダウンロードリンクを作成する方法は主に2つあります。ここでは、実際の手順を詳しく解説します。
方法A:共有リンクを「ダウンロードリンク」に変換する
最も汎用的でおすすめの方法です。以下の手順で進めてください。
1. 通常の共有リンクを取得する
まず、SharePoint上でダウンロードしたいファイルの「共有」ボタンをクリックし、共有リンクを取得します。取得したリンクは、たとえば次のような形式です。
https://example365.sharepoint.com/:x:/s/FAQ/A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6?e=AbCdEf
2. リンクを変換する
取得した共有リンクの「?e=xxxx」以降を削除し、次のような形式に変換します。
https://example365.sharepoint.com/sites/FAQ/_layouts/download.aspx?share=A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6
変換のポイント
- 「share=」の後ろには、元の共有リンクの「?」より前の英数字部分(この例では「A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6」)を使います。
- サイトのパス(/sites/FAQ/など)は、元のリンクに合わせてください。
3. 変換例
| 元の共有リンク | 変換後のダウンロードリンク |
|---|---|
| https://example365.sharepoint.com/:x:/s/FAQ/A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6?e=AbCdEf | https://example365.sharepoint.com/sites/FAQ/_layouts/download.aspx?share=A1b2C3d4E5f6G7h8I9j0K1l2M3n4O5p6Q7r8S9t0U1v2W3x4Y5z6 |
このリンクをメールやチャットで共有すれば、受け取った人はすぐにファイルをダウンロードできます。
方法B:ファイルを右クリックして「ダウンロード」を選ぶ
自分自身がファイルをダウンロードしたい場合は、SharePointの画面でファイルを右クリックし、「ダウンロード」を選択するだけでOKです。ただし、この方法では「他の人にダウンロード専用リンクを渡す」ことはできません。あくまで自分用の操作となります。
直接ダウンロードリンク作成時の注意点
直接ダウンロードリンクを作成・共有する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
1. 権限設定に注意
ダウンロードリンクも、元の共有リンクの権限設定に従います。たとえば、
- 「リンクを知っている人は誰でもアクセス可能」
- 「組織内のユーザーのみアクセス可能」
- 「特定のユーザーのみアクセス可能」
など、共有時に設定した範囲内でしかダウンロードできません。外部の人に渡したい場合は、共有リンクの権限設定を「外部ユーザーも可」にしておく必要があります。
2. 管理者による制限
SharePointの管理者が「外部共有を禁止」している場合、外部の人はダウンロードリンクを使ってもファイルを取得できません。組織のポリシーによっては、外部共有自体ができない場合もあるので、事前に確認しましょう。
3. ファイルの更新とリンクの有効性
ダウンロードリンクは、元のファイルが削除・移動された場合や、共有設定が変更された場合には無効になります。ファイルの管理やリンクの有効期限にも注意してください。
4. セキュリティ面の配慮
ダウンロードリンクは、リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる場合があります。機密性の高いファイルを共有する際は、必ず権限設定を確認し、必要に応じてパスワード保護や有効期限の設定を行いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 直接ダウンロードリンクを作っても、ダウンロードできないと言われました
A. 共有リンクの権限設定や、組織の外部共有ポリシーを確認してください。外部ユーザーがアクセスできない設定になっている場合、ダウンロードはできません。
Q2. ダウンロードリンクをメールに貼り付けても、うまく動作しません
A. リンクの形式が正しいか、またリンクが途中で改行されていないか確認してください。特に長いURLは、メールソフトによって途中で切れてしまうことがあります。
Q3. ファイル名を指定してダウンロードさせることはできますか?
A. SharePointのダウンロードリンクでは、ファイル名の指定はできません。ダウンロード時には、元のファイル名がそのまま使われます。
Q4. ダウンロードリンクの有効期限を設定できますか?
A. 共有リンク作成時に有効期限を設定することは可能です。ダウンロードリンクもその設定に従います。
まとめ
- 通常の「共有リンク」はWebプレビュー用で、ファイルの内容をブラウザ上で確認できます。
- 「download.aspx?share=」形式に変換することで、直接ダウンロードリンクを作成できます。
- ダウンロードリンクも共有リンクの権限設定に従うため、外部共有やアクセス権限には注意が必要です。
- 管理者による制限や、ファイルの管理にも気を配りましょう。
SharePointのリンク共有は便利ですが、正しい手順と権限設定を理解して、安全に活用してください。もしご不明な点があれば、具体的なファイル名や画面のスクリーンショットなどを添えてご相談いただければ、さらに詳しくご案内します。
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