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『金持ち父さん 貧乏父さん』を読む前に考えたいこと|お金の本とのちょうどいい距離感

「お金の勉強をするなら、この本を読んだほうがいいよ」
そんなふうにすすめられて、『金持ち父さん 貧乏父さん』を手に取った人は多いかもしれません。

世界的なベストセラーとして知られ、人生観やお金の考え方に影響を受けたという声もよく聞きます。
一方で、この本をきっかけにトラブルや違和感を覚えた人がいるのも事実です。

えり

よくマルチ商法で出てくる本の一つでもあります

大切なのは、「この本が良いか悪いか」を白黒つけることではありません。
どう読むか、どんな場面で出会うかによって、意味合いが大きく変わる本だという点にあります。

この記事では、
『金持ち父さん 貧乏父さん』の魅力を整理しつつ、
とくに 人からすすめられた場合に注意したいポイント を中心に、少し踏み込んで解説していきます。

目次

『金持ち父さん 貧乏父さん』はどんな本なのか

この本は、お金の増やし方を細かく教える実用書ではありません。
物語形式を使いながら、「お金に対する考え方」を揺さぶる自己啓発書です。

安定を重視する父親と、投資やビジネスを通じて資産を築く父親。
その対比を通して、著者は次のような問いを投げかけます。

・給料だけに頼る生き方は本当に安全なのか
・資産と負債を区別して考えているか
・お金について主体的に学んでいるか

とくに「資産とはお金を生み出すもの」「負債とはお金を出ていかせるもの」という定義は、多くの人に強い印象を残しました。

読みやすく、刺激的で、考えさせられる。
その点において、この本が多くの人に支持されてきた理由ははっきりしています。

まず理解しておきたい、この本の良さ

注意点を語る前に、評価できる部分をきちんと押さえておく必要があります。

この本の良いところは、
**「お金について考えるきっかけを与えてくれる」**点に尽きます。

・お金の話を避けてきた人が、初めて向き合う入口になる
・資産や投資という言葉に触れるハードルが下がる
・現状を疑う視点を持てるようになる

こうした変化は、確かに多くの読者に起きてきました。
本屋で自分から手に取り、冷静に読む分には、刺激のある一冊だと思います。

ただし、ここからが重要です。

この本は 「考え方の本」 であって、
「この通りにやれば成功する本」ではありません。

この前提が抜け落ちると、読み手は一気に不安定な状態になります。

物語として読むべき理由

本書に登場する「金持ち父さん」は、実在の人物かどうか明確ではありません。
現在では、著者の体験や複数のモデルをもとにした象徴的な存在だと考える見方が一般的です。

自己啓発書で物語的な表現を使うこと自体は、珍しいことではありません。
問題は、それを 現実そのままの成功談 として受け取ってしまうことです。

「この人がこうして成功したなら、自分も同じことをすればいい」
そう考え始めた瞬間、読者は自分の状況やリスクを見失いやすくなります。

この本は、
「こういう考え方もある」という視点を得るためのもの。
人生の判断を丸投げするための指南書ではありません。

ノウハウ本だと思うと、物足りなくなる

『金持ち父さん 貧乏父さん』には、行動を促す言葉が多く登場します。

・ラットレースから抜け出せ
・資産を買え
・お金に働かせろ

気持ちは高まりますが、
「では、何を」「どの順番で」「どのくらいのリスクで」やるのかは、ほとんど書かれていません。

つまりこの本は、
モチベーションを上げる役割は強いが、実務の地図は持っていない本です。

ここを勘違いしたまま行動すると、
勢いだけで危険な選択をしてしまう可能性が出てきます。

借金やレバレッジが軽く見えやすい構造

本書では、不動産投資を中心に、借金を使って資産を拡大する考え方が語られます。
理論としては理解できる部分もありますが、初心者が安易に真似するのはおすすめできません。

現実の投資では、

・空室や家賃下落
・修繕費の増加
・金利上昇
・市場環境の変化

など、コントロールできない要素が数多くあります。

成功例が中心に語られる構成のため、
リスクが小さく見えてしまう点には注意が必要です。

マルチ商法や勧誘で使われやすい理由

ここからが、特に深掘りしておきたいポイントです。

『金持ち父さん 貧乏父さん』は、
マルチ商法やネットワークビジネスの勧誘と非常に相性がいい本でもあります。

これは本の中身が悪いからではありません。
価値観を揺さぶる構造が、勧誘トークに使いやすいのです。

勧誘でよく使われる流れ

よくあるのは、次のような展開です。

「この本、読んだことある?」
「考え方が変わるから読んでみて」
「ほら、会社員だけじゃ危ないって書いてあるでしょ」

この段階では、まだ商品名は出てきません。
本の内容に共感させ、価値観を共有したところで、

・成功者が集まる場所
・実践している人たち
・本の内容を現実でやっている仕組み

といった話に進んでいきます。

最終的に出てくるのが、
高額なセミナー、会員制ビジネス、ネットワーク型の副業です。

「本が正しい」から「あなたも従うべき」へ

この流れで怖いのは、
本の権威が、そのまま勧誘の正当性にすり替わることです。

「世界的ベストセラーにも書いてある」
「成功者の考え方として紹介されている」

こう言われると、疑問を持つ自分が
「理解できていない側」のように感じてしまいます。

不安と焦りを刺激されると、
冷静な判断はしづらくなります。

本は良い。でも、人からすすめられた時は別

ここで強調しておきたいのは、
本そのものを否定しているわけではないという点です。

自分で選び、自分のペースで読む分には、
考え方の刺激になる良書であることは間違いありません。

ただし、

・強くすすめられる
・読後の感想を細かく聞かれる
・すぐにビジネスの話に移る

こうした場合は、
本ではなく「すすめてくる人の意図」を見る視点が必要です。

読むなら持っておきたい距離感

『金持ち父さん 貧乏父さん』と向き合うなら、
次のようなスタンスがちょうどいいと感じます。

・物語として読む
・考え方のヒントだけ受け取る
・具体策は別の本や公的情報で補う
・読んだ勢いで大きな決断をしない

警戒することは、臆病さではありません。
お金や働き方の話こそ、慎重であるべき分野です。

本よりも、自分の生活を優先する

この本は、きっかけを与えてくれる存在です。
しかし、あなたの人生や家計を守ってくれるわけではありません。

大切なのは、

・本を鵜呑みにしないこと
・不安を煽る流れに乗らないこと
・自分の生活を基準に考えること

本は道具のひとつに過ぎません。
主役は、いつでもあなた自身です。

『金持ち父さん 貧乏父さん』を上手に活用しながら、
必要以上に振り回されない距離感を保っていきましょう。

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この記事を書いた人

ブログ運営者。日常の気づきから、言葉の意味、仕組みやトレンドまで「気になったことをわかりやすく」まとめています。調べて納得するのが好き。役立つ情報を、肩の力を抜いて発信中。

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