メルカリグループ(以下、メルカリ)は、2025年10月30日(木)付で、プライバシーポリシーの一部を改定しました。
今回の改定では、(1)不正利用を防止するための新たな不正対策サービスの導入、(2)個人情報に関するお問い合わせ先の変更、という2つの重要な変更が行われています。
この記事では、その改定内容をわかりやすく整理し、ユーザーにどのような影響があるのかを詳しく解説します。
メルカリを日常的に利用している方にとって、プライバシーポリシーの変更は決して他人事ではありません。
「どんな情報が」「どのように」収集され、そして「何の目的で使われるのか」。
今回の改定は、不正防止や安全性向上のために重要な意味を持ちます。ここでは、背景や改定の狙い、具体的な変更点、そしてユーザーが取るべき対応を丁寧に解説していきます。

なぜ今、改定されたのか?
不正取引やアカウント悪用の増加
フリマアプリ市場の拡大に伴い、近年では不正な取引やアカウントの乗っ取り、転売目的の利用などが社会問題化しています。
メルカリではこれまでも安全対策を進めてきましたが、より高度な不正検知・防止体制を整備する必要が出てきました。
情報活用の透明性向上
もうひとつの目的は、「情報の扱い方をより明確にすること」です。
これまで曖昧だった第三者からの情報取得や分析について、範囲や目的を具体的に示すことで、利用者にとっての透明性を高めています。
改定の主なポイント
今回の改定で変更されたのは、主に以下の4つの項目です。
- 取得する情報の範囲の明確化・拡大
- 利用目的の表現変更(不正検知を明示)
- 第三者への情報提供の新設
- お問い合わせ先の変更
それぞれ詳しく見ていきましょう。
取得する情報(改定箇所①)
改定前の内容
これまでは、メルカリが業務提携先や第三者から取得する情報として、
Cookie・ADID・IPアドレス・メールアドレス・閲覧履歴・位置情報などが記載されていました。
改定後の内容
改定後は、「個人情報に該当するか否かにかかわらず、以下の情報を取得します」と明記されました。
具体的には以下の2種類の情報です。
- a. 各種事業者から取得する情報
Cookie、ADID/IDFA、IPアドレスなどの識別子
電話番号・メールアドレス
閲覧履歴、ブラウザ言語、位置情報、趣味嗜好など - b. 不正防止のために取得する情報
出品・購買に関する情報
支払いおよび配送情報
登録情報
端末・ログ・位置情報などの行動履歴
不正防止に必要なその他の情報
これらを既に保有している個人情報と紐づけて分析することがあると明記されました。
ユーザーへの影響
- 情報の取得範囲が広がり、より細かな利用状況や端末情報までが分析対象になります。
- 「個人情報に該当しない情報」も収集対象になることで、Cookieやログデータなどがより積極的に活用されることが想定されます。
- 出品や購入といった行動データが、セキュリティ目的で分析対象となる点も注目です。
取得情報の利用目的(改定箇所②)
改定前は「不正利用防止や安全性の確保のため」とされていましたが、
改定後は「不正利用検知、不正利用防止や安全性の確保のため」と変更されました。
ポイント
- 「検知」という言葉が加わったことで、不正が起こる前に察知・防止することを目的とした分析体制が明確になりました。
- 行動データや端末データの分析が、予防的なセキュリティ対策として利用されることを示しています。
取得情報の第三者提供(改定箇所③)
これまで明記されていなかった「不正防止目的での第三者提供」が新設されました。
新設された内容
不正対策サービス運営事業者、調査会社、業界団体、公的機関などに対して、
出品・購買情報、支払い・配送情報、登録情報、端末・ログ情報、位置情報などを提供する場合があるとされています。
また、クレジットカード会社や金融機関にも、不正検知・防止の目的で取引情報を提供する可能性が追記されました。
ユーザーへの影響
- 情報がより多くの外部機関と共有される可能性があるため、プライバシー保護の観点での意識が重要になります。
- 提供目的は「不正防止」に限られるため、広告利用などの懸念は少ないですが、利用者としては提供範囲を把握しておくことが大切です。
お問い合わせ先の変更(改定箇所④)
改定前
郵送による問い合わせ(住所宛)が基本でした。
改定後
メールでの問い合わせ(support@mercari.jp)が中心となり、
件名に「個人情報について」と記載するよう案内されています。
意味とメリット
- ユーザーがより簡単に問い合わせできるようになりました。
- 個人情報に関する手続きや開示請求なども、これまでよりスムーズに行えるようになります。
ユーザーが注意すべきポイント
今回の改定により、ユーザーとして特に意識しておきたい点を整理します。
① 取引・行動データが分析対象になる
出品・購入履歴、支払い・配送情報、端末や位置情報などが分析対象になります。
つまり、取引の内容や利用状況が、不正検知や安全性評価に活用されるということです。
② 複数アカウントや転売目的の利用に注意
不正検知の強化により、同一人物による複数アカウント運用や事業的出品などは、従来より厳しく監視される可能性があります。
③ アプリ設定と利用環境を見直す
位置情報や端末権限の設定を確認し、不要なデータ送信を防ぐ工夫も重要です。
また、常に最新バージョンのアプリを使用し、安全な環境で取引を行いましょう。
④ 改定後の利用は「同意」とみなされる
改定日以降もメルカリを利用する場合、改定内容に同意したものと見なされます。
内容を確認し、納得した上で継続利用することが望ましいです。
チェックリスト:改定後に確認したいポイント
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 出品・購入頻度 | 事業的な出品をしていないか確認 |
| 位置情報設定 | 不必要な位置情報共有をオフに |
| セキュリティ対策 | 二段階認証やパスワード管理を徹底 |
| 問い合わせ手段 | 新しいメール窓口の確認 |
| 利用目的の確認 | 改定後ポリシーの内容を理解しているか |
ユーザーへのアドバイス
- 透明性を意識して利用する
自分がどの情報を提供しているのか理解し、安心して取引できるよう意識しましょう。 - 不正対策の目的を理解する
情報の収集はユーザーの安全を守るためのものです。正しく理解することで、不要な不安を減らせます。 - 万が一のときの問い合わせ先を把握しておく
個人情報の開示や削除依頼などを行いたい場合は、公式のサポート窓口に連絡するのが最も安全です。
まとめ
今回のメルカリのプライバシーポリシー改定は、「不正対策の強化」と「情報取扱いの透明化」が目的です。
ユーザーの取引データや端末情報などの収集・分析を通じて、安全で信頼できる取引環境を維持する取り組みが進められています。
今後もユーザー一人ひとりが、利用規約やポリシーを正しく理解し、自分の取引スタイルに応じた安全対策を取ることが大切です。
この機会に、自身の利用状況やアプリ設定を見直してみましょう。
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