ExcelやGoogleスプレッドシートなど、表計算ソフトでよく使われる「MAX関数」。一度覚えてしまえば、データの中から一番大きい値(最大値)を一瞬で求めることができ、業務効率や作業の正確性が大幅にアップします。この記事では、MAX関数の基本的な使い方から応用例まで、初心者にもわかりやすく解説します。
MAX関数の基本
MAX関数とは?
MAX関数は、指定した範囲や複数の値の中から「最大値(いちばん大きな数)」を求めるExcelの関数です。計算式はとてもシンプルで、数値が入ったセル範囲や数値をカンマ区切りで指定するだけです。
書式:
=MAX(数値1, [数値2], ...)
または、
=MAX(範囲)
具体例
例えば、A1からA5のセルに以下の数値が入力されている場合を考えてみましょう。
A | |
---|---|
1 | 10 |
2 | 23 |
3 | 7 |
4 | 55 |
5 | 31 |
この中で一番大きな値を求めたいときは、次のように入力します。
=MAX(A1:A5)
すると、「55」という答えが返ってきます。
MAX関数の主な使い方
複数のセルや値を指定する
MAX関数は、範囲だけでなく個別の値や、複数の範囲を指定することもできます。
例1:複数のセルを指定
=MAX(A1, A3, A5)
A1、A3、A5の3つのセルの中で最大値を求めます。
例2:複数範囲を指定
=MAX(A1:A5, C1:C5)
A1からA5と、C1からC5までのすべてのセルの中で一番大きい値が返ってきます。
応用的な使い方
他の関数と組み合わせる
MAX関数は単独で使うだけでなく、IF関数やSUM関数、AVERAGE関数など、他の関数と組み合わせることでさらに活用の幅が広がります。
例1:最大値が一定以上かどうか判定する
例えば、「売上が100万円を超えた月があるかどうか」を判定したい場合は、次のような式が使えます。
=IF(MAX(B2:B13) >= 1000000, "達成", "未達成")
例2:最大値のセル位置(行番号や列番号)を知りたい場合
MAX関数だけでは「どのセルが最大値か」はわかりません。その場合はMATCH関数やINDEX関数を組み合わせます。
例えば、A1:A5の中で最大値がどこかを知りたい場合:
=MATCH(MAX(A1:A5), A1:A5, 0)
この場合、最大値のセルの「何番目か」が返ってきます。
よくある質問と注意点
Q1. 文字列が混ざっているとどうなる?
MAX関数で範囲内に文字列が混ざっている場合、文字列は無視され、数値だけが比較されます。エラーになることはありません。
Q2. 空白セルがあるとどうなる?
空白セルも無視され、数値だけが対象となります。
Q3. 日付の最大値は?
日付もExcel上ではシリアル値(数字)として扱われるため、MAX関数を使うと「最新の日付」が返ってきます。
Q4. 最大値が複数あった場合は?
複数のセルで同じ最大値があった場合、MAX関数はその値を一つだけ返します。「どのセルか」はMATCH関数等で調べる必要があります。
MAX関数を使うシーン例
売上データから最高額を知りたいとき
売上一覧表などで「今月の最高売上額」を知りたい場合、
=MAX(B2:B31)
と入力するだけで、最大の売上額が一瞬で表示されます。
テストの最高点を調べたいとき
生徒ごとの点数表から「誰が一番高得点か」もMAX関数で簡単に判定できます。
温度や数値の計測データから最大値を抽出
気温や湿度、アクセス数など「変動するデータ」の最高値チェックにも便利です。
MAX関数とMIN関数の違い
MAX関数が「最大値」を求めるのに対し、MIN関数は「最小値」を求めます。
書式:
=MIN(数値1, [数値2], ...)
MAX関数と同じ感覚で使えるので、一緒に覚えておくと便利です。
MAXIFS関数との違い
Excelの新しいバージョン(Office 365など)には「MAXIFS関数」もあります。これは「条件を満たす中での最大値」を返してくれる便利な関数です。
例えば、「A列が”営業部”の中で、B列の売上の最大値」を求めるには次のように使います。
=MAXIFS(B2:B100, A2:A100, "営業部")
条件付きで最大値を求めたい場合はMAXIFS関数もチェックしてみてください。
トラブルシューティング
エラーが出る場合の主な原因
- 範囲指定に誤りがある(例:セル参照ミス)
- すべて文字列や空白のみで数値が含まれていない
基本的には「数値が含まれているか」「範囲指定が正しいか」を確認するだけで解決することが多いです。
まとめ
MAX関数はExcelを使う上で非常に頻繁に使われる基本の関数です。最大値を求めたい場面は多いため、ぜひ一度実際に操作してみて、しっかりと使い方を身につけてください。慣れてきたらIFやMATCH、MAXIFSなど応用的な関数も試してみましょう。データ分析や報告資料の作成に大いに役立つはずです。
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