タイには、古くから子どもたちの間で親しまれてきた伝統的な遊びがいくつもあります。
その中のひとつが「マッケプ(Mak Kep/หมากเก็บ)」です。
日本ではあまり知られていませんが、石や小さな道具を使って楽しむ素朴な遊びで、集中力や手先の器用さが試されるのが特徴です。
この記事では、マッケプの基本ルールや遊び方を、初心者にもわかりやすく解説します。
マッケプとは?
「マッケプ(Mak Kep/หมากเก็บ)」は、直訳すると「石を拾う遊び」という意味があります。
名前の通り、小石や小さな塊を使って遊ぶシンプルなゲームで、タイの子どもたちが昔から公園や家の庭先で楽しんできました。
使う道具は 5個の石 が基本です。
石は親指ほどの大きさで、最近では扱いやすいようにプラスチックや軽い素材で作られた道具もあります。
世界各地に似た遊びがあり、英語圏では「Jacks(ジャックス)」、韓国では「コンギ(공기놀이)」と呼ばれるゲームに近い存在です。
マッケプの魅力
- 道具がほとんど要らないので、誰でも気軽にできる
- 一人でも遊べるし、複数人で競い合っても楽しい
- 集中力、反射神経、器用さを鍛えられる
- 失敗と成功の緊張感があり、子どもたちが夢中になれる
昔は空き地や寺の境内など、どこでも遊ばれていました。現在でもタイの地方や学校のイベントなどで披露されることがあります。
基本の道具と準備
- 石(または小さな塊)… 5個
- 平らで石が置ける場所(地面や机など)
石は大きすぎず、小さすぎないのがポイントです。手のひらに収まりやすいものが理想で、軽い素材を使うと初心者でも扱いやすくなります。
基本ルールとステップ
マッケプは、石を地面に置きながら「リーダー」と呼ばれる1個を空中に投げ上げ、その間に別の石を拾ってキャッチする、という流れで進めます。ステップごとに拾う石の数を増やしていくのが特徴です。
ステップ1(แม่หนึ่ง / Mae Neung)
- 地面に石を4個置き、1個をリーダーとして手に持つ
- リーダーを空中に軽く投げ上げる
- その間に地面の石を 1個だけ 拾い、リーダーをキャッチする
ステップ2(แม่สอง / Mae Song)
- 再びリーダーを投げ上げる
- 地面の石を 2個まとめて 拾い、リーダーをキャッチ
ステップ3(แม่สาม / Mae Sam)
- リーダーを投げ上げる
- 地面の石を 3個拾い、残りの1個を後で拾う
- いずれもリーダーを落とさずキャッチし続ける必要がある
ステップ4(แม่สี่ / Mae Sii)
- 最後のステップ
- リーダーを投げ上げている間に、地面の石4個をすべて一度に拾い、リーダーをキャッチする
この4つのステップを連続で成功させれば、そのプレイヤーの勝利となります。
ルールのポイント
- リーダーを必ずキャッチしなければならない
- 指定された数の石を正しく拾う必要がある
- 拾うときに他の石に触れてはいけない
- リーダーや石を落とすと、その時点で失敗となり次の人の順番になる
一見シンプルですが、リーダーを投げてから拾うまでのわずかな時間に正確な動作をしなければならないため、意外と難しくスリルがあります。
勝敗の決まり方
複数人で遊ぶ場合は、順番にプレイしていき、すべてのステップをクリアした人が勝者です。途中で失敗した場合は、成功したステップまでの進み具合を記録して競うこともあります。
まとめ
マッケプ(Mak Kep/หมากเก็บ)は、タイに古くから伝わる石を使った遊びで、道具も場所もほとんど必要なく楽しめるシンプルなゲームです。
「リーダー」を投げ上げ、その間に決められた数の石を拾ってキャッチする、というルールは単純ですが、集中力と器用さが求められ、遊ぶたびに熱中できる魅力があります。
タイでは子どもたちが友達同士で遊ぶ定番のゲームでしたが、現在でも学校行事や地域イベントなどで親しまれています。旅行でタイに行く機会があれば、ぜひ体験してみるのも面白いかもしれません。
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