プログラミングでは、変数名や関数名をつける際にさまざまな命名規則が存在します。
その中でも特によく使われるのが「キャメルケース(Camel Case)」「パスカルケース(Pascal Case)」「スネークケース(Snake Case)」です。
これらの命名規則はコードの可読性や一貫性を向上させるために重要です。
本記事では、それぞれの命名規則の特徴や使われる場面について詳しく解説します。
目次
キャメルケース(Camel Case)とは?
キャメルケースとは、単語をつなげる際に最初の単語を小文字で始め、2つ目以降の単語の頭文字を大文字にする命名規則です。ラクダのこぶ(Camel)のような形に見えることから、この名前が付けられました。
キャメルケースの例
camelCaseExamplemyVariableNamecalculateTotalPricegetUserDetailsisValidInputprocessUserDatafetchApiResponse
キャメルケースが使われる主な場面
- 変数名: JavaScript、Java、C#などの言語では、変数名をキャメルケースで記述することが一般的です。
- 関数名: メソッドや関数の命名にもキャメルケースがよく使われます。
- オブジェクトのプロパティ名: JSONデータやオブジェクトのプロパティ名に適用されることが多いです。
- ローカル変数: 関数内の一時的な変数にも使用されることが一般的です。
パスカルケース(Pascal Case)とは?
パスカルケースはキャメルケースと似ていますが、すべての単語の先頭を大文字にする点が異なります。これはプログラミング言語「Pascal」で広く使用されていたことが由来です。
パスカルケースの例
PascalCaseExampleMyClassNameCalculateTotalPriceUserProfileManagerDataProcessingModuleApplicationSettingsServerConnectionManager
パスカルケースが使われる主な場面
- クラス名: Java、C#、Pythonなどのプログラミング言語では、クラス名をパスカルケースで記述するのが一般的です。
- 構造体名: C++やC#では、構造体の命名にパスカルケースが使われます。
- コンポーネント名: ReactやVue.jsなどのフレームワークでは、コンポーネント名をパスカルケースで記述することが多いです。
- 名前空間: C#やJavaの大規模アプリケーションでは、名前空間をパスカルケースで記述するのが標準的です。
スネークケース(Snake Case)とは?
スネークケースとは、単語をアンダースコア(_)で区切る命名規則です。スネークが這うような見た目になることから、この名前が付けられました。
スネークケースの例
snake_case_examplemy_variable_namecalculate_total_priceget_user_detailsis_valid_inputdatabase_column_nameconfig_file_path
スネークケースが使われる主な場面
- データベースのカラム名: SQLのデータベース設計では、スネークケースが一般的に使用されます。
- 定数名: PythonやC言語では、定数をスネークケースで記述することが推奨されています。
- 関数名: Pythonでは関数名にスネークケースを使用することが標準的です。
- 設定ファイルのキー: 設定ファイルや環境変数名にもスネークケースがよく使われます。
キャメルケース・パスカルケース・スネークケースの比較
| 特徴 | キャメルケース | パスカルケース | スネークケース |
|---|---|---|---|
| 最初の単語 | 小文字 | 大文字 | 小文字 |
| 単語の区切り | 大文字で区切る | 大文字で区切る | _(アンダースコア)で区切る |
| 例 | myVariableName | MyVariableName | my_variable_name |
| 使用場面 | 変数、関数名、オブジェクトのプロパティ、ローカル変数 | クラス、構造体、コンポーネント、名前空間 | データベースのカラム名、定数、Pythonの関数名、設定ファイル |
| 主な言語 | JavaScript, Java, Python | C#, Java, TypeScript, .NET | Python, SQL, C |
どの命名規則を使うべきか?
基本的には、使用するプログラミング言語のコーディング規約に従うのがベストです。一般的なルールとしては以下のようになります。
- 変数や関数名にはキャメルケース(JavaScript、Java、C#)
- クラスやコンポーネント名にはパスカルケース(C#、Java、TypeScript)
- データベースや定数にはスネークケース(Python、SQL)
例えば、JavaScriptでの書き方を見てみましょう。
class UserProfile { // クラス名 → PascalCase
constructor(userName) {
this.userName = userName; // 変数名 → camelCase
}
getUserName() { // メソッド名 → camelCase
return this.userName;
}
}
Pythonの例では、次のようになります。
def get_user_name(): # 関数名 → snake_case
return "John Doe"
USER_CONSTANT = 100 # 定数名 → snake_case
まとめ
キャメルケース、パスカルケース、スネークケースは、プログラミングにおける重要な命名規則です。それぞれの特徴を理解し、適切な場面で使い分けることで、可読性の高いコードを書くことができます。
- キャメルケース: 変数や関数名に使う(例:
myVariableName) - パスカルケース: クラス名やコンポーネント名に使う(例:
MyClassName) - スネークケース: データベースのカラム名や定数に使う(例:
my_variable_name)
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