ExcelでCSVやテキストファイルを開いたときに文字化けを経験したことはありませんか?特にWebサービスやシステムからダウンロードしたCSVファイルが「UTF-8」というエンコーディングだった場合、Excelで直接開こうとすると日本語が「???」や意味不明な記号に変わってしまうことがあります。今回は、その原因と正しい対処方法をわかりやすく解説します。パソコン初心者からビジネスパーソンまで、誰でも実践できる手順でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
文字化けの正体と原因
文字コード(エンコーディング)とは?
コンピュータは文字を数字の集合として扱っています。その数字がどの文字を表すかを定めているのが「文字コード(エンコーディング)」です。代表的なものに「UTF-8」「Shift_JIS」「UTF-16」などがあります。
- UTF-8:世界中の多くの言語に対応できる汎用的な文字コード。多くのWebサービスやプログラムがUTF-8を標準で利用しています。
- Shift_JIS:日本語Windowsや古いソフトウェアでよく使われてきた日本語向けの文字コード。
なぜExcelで文字化けする?
Excelは、ダブルクリックでCSVやTXTファイルを開いたとき、ファイルの文字コードが「Shift_JIS」だと仮定して読み込もうとします。しかし、実際のファイルが「UTF-8」だった場合、この仮定が外れて意味不明な表示(文字化け)になってしまいます。
ExcelでUTF-8ファイルを正しく開く方法
下記に、一般的なExcelのバージョン(Microsoft 365/Excel 2016以降)で使える、UTF-8のCSVやテキストファイルを文字化けせずに開く手順をご紹介します。パソコン初心者でも安心して実践できる方法です。
方法1:Excelの「データ」タブからインポートする
- Excelを起動し、空白のブックを開く まず、Excelを起動して新しいブック(シート)を開いてください。
- [データ]タブを選択 Excel上部の「データ」タブをクリックします。
- [テキスト/CSVから]ボタンをクリック 「データの取得」グループ内にある「テキストまたはCSVから」(Excelのバージョンによっては「外部データの取得」内にあります)を選択します。
- UTF-8ファイルを選択して「インポート」 開きたいCSVやTXTファイルを選択し、[インポート]をクリックします。
- ファイルのエンコーディングを指定 ポップアップウィンドウが表示され、「ファイルの出力元」や「エンコーディング」の項目が現れます。ここで「65001: Unicode (UTF-8)」を選択しましょう。プレビューに日本語がきちんと表示されていればOKです。
- [読み込み]ボタンをクリック 最後に「読み込み」をクリックすれば、UTF-8の日本語が正しく表示されたデータがシートに取り込まれます。
補足
バージョンによっては、「テキストファイルウィザード」や「データの取得と変換」という表現になっていることもありますが、基本的な流れは同じです。
方法2:ファイルをUTF-8(BOM付き)で保存する
一部のExcelバージョンや場合によっては、UTF-8(BOMあり)で保存されたファイルだとExcelが自動認識し、ダブルクリックからでも文字化けせずに開けるケースがあります。
BOMとは「Byte Order Mark」の略で、ファイルの先頭に文字エンコーディングの情報を記述する仕組みです。
保存方法(Windowsのメモ帳の場合)
- CSVファイルを右クリック→「プログラムから開く」→「メモ帳」。
- [ファイル] – [名前を付けて保存]を選ぶ。
- 「ファイルの種類」を「すべてのファイル」にし、「エンコーディング」を「UTF-8(BOM付き)」にして保存。
- 保存したファイルをExcelで開くと、文字化けせず表示される場合があります。
方法3:Excelの「テキストファイルウィザード」を使う(旧バージョン向け)
Excel 2013やそれ以前のバージョンでは、以下の手順を利用します。
- Excelを開き、「データ」タブ→「外部データの取り込み」→「テキストファイル」を選択。
- ファイルを選択して「インポート」。
- 「テキストファイルウィザード」が開くので、「65001: Unicode(UTF-8)」を選択。
- 区切り文字や列の書式なども設定して完了。
文字化けしたまま開いてしまったときのリカバリー方法
もしすでに文字化け状態でExcelに取り込んでしまった場合は、一度Excelを閉じて、上記のインポート手順で再度開き直せばOKです。
よくあるQ&A
Q. ダブルクリックで開いても文字化けしないようにできないの?
A. 多くのExcelバージョンでは、Shift_JISが標準なので難しいです。BOM付きUTF-8なら文字化けしない場合もありますが、確実ではありません。
最も確実なのは「データのインポート」やエンコーディング指定を活用する方法です。
Q. MacのExcelでも同じ?
A. Mac版Excelでも同様に、「データ」からCSVインポート時に「UTF-8」を指定できます。直接開くとやはり文字化けすることがあります。
Q. Googleスプレッドシートなら?
A. Googleスプレッドシートは「ファイルをインポート」する際UTF-8を自動解釈します。文字化けすることはほとんどありません。
まとめ:安心してUTF-8 CSVを扱おう
資料作業やデータ分析、業務報告書など、さまざまな場面でCSVファイルを扱う機会が増えています。UTF-8は今や世界標準ともいえる文字コードですが、日本ではExcelの既定がShift_JISなため、どうしても「文字化け問題」が付きまといます。
本記事で紹介した「データタブのインポート機能」「BOM付きファイルの利用」「テキストファイルウィザード」などを活用すれば、もう文字化けに悩まされることなく、快適にExcelでUTF-8ファイルを取り扱えるようになります。
パソコン初心者の方も、ぜひ一度試してみてください。
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