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インターネット回線のPING(ピン)とは?快適なゲームやテレワークに必要な目安と改善方法を徹底解説

「せっかく光回線にしたのに、オンラインゲームでラグがひどい」
「ビデオ会議で自分の声だけ遅れて届いている気がする」
「夜になるとウェブサイトの反応がなんとなく鈍い」

このような経験はありませんか?インターネットの契約をする際、私たちはつい「最大1Gbps」や「10Gbps」といった「回線速度(bps)」ばかりに注目してしまいがちです。しかし、実は私たちが感じる「快適さ」や「サクサク感」の正体は、速度よりも「PING(ピン)」という数値が握っていることが多いのです。

特にFPSや格闘ゲームなどのオンラインゲームプレイヤーにとって、PING値は勝敗を分ける命綱とも言える重要な要素です。また、リモートワークが普及した現代では、スムーズな会話のためにビジネスパーソンにとっても無視できない数値となってきました。

この記事では、インターネット回線の「PING」について、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすく解説します。適正な数値の目安や、今日からできる改善方法まで、初心者の方にも実践しやすい内容を網羅しました。少し長いですが、これを読めば「ラグい」悩みから解放されるヒントが必ず見つかるはずです。

目次

PING(ピン)とは「応答速度」のこと

PING(ピン、またはピング)とは、簡単に言えば「インターネット上の情報のキャッチボールにかかる時間」のことを指します。

あなたがパソコンやスマートフォンから「このデータが欲しい」とサーバーにリクエストを送り、サーバーが「はい、どうぞ」と返事をして戻ってくるまでの「往復時間」を表しています。

この時間は「ms(ミリセカンド・ミリ秒)」という単位で表されます。1msは1000分の1秒です。この数値が小さければ小さいほど、サーバーとのやり取りが速い、つまり「反応が良い(ラグがない)」ということになります。逆に数値が大きいと、ボタンを押してから反応するまでにタイムラグが発生し、「重い」「遅れる」と感じるようになります。

「回線速度(bps)」と「PING(ピン)」の違い

よくある誤解として、「回線速度(下り〇〇Mbps)が速ければ、ラグも解消される」というものがあります。しかし、これは少し違います。わかりやすく道路と車で例えてみましょう。

  • 回線速度(Mbps / Gbps)
    道路の「車線の数」や「道幅」のようなものです。道幅が広ければ、一度にたくさんのトラック(データ)が通れます。YouTubeの4K動画や巨大なファイルのダウンロードなど、「大量の荷物を運ぶ」ときにはこの広さが重要です。
  • PING(ms)
    道路の「制限速度」や「信号の多さ」のようなものです。いくら道幅が広くても、信号ばかりで止まっていては目的地に着くのに時間がかかります。オンラインゲームやビデオ通話では、大量の荷物を運ぶことよりも、「小さな荷物をいかに速く届けて、すぐに戻ってくるか」という往復のスピードが求められます。

つまり、「動画はキレイに見られるのに(速度は出ている)、ゲームのキャラがワープする(PINGが悪い)」という現象は、道幅は広いけれど渋滞している道路のような状態なのです。

【用途別】PING値の目安はどれくらい?

では、具体的にどれくらいの数値が出ていれば快適なのでしょうか。用途によって求められる基準は異なります。一般的な目安を表にまとめましたので、ご自身の環境と比べてみてください。

用途別の快適なPING値一覧表

用途理想的な数値許容範囲(普通)注意が必要
FPS・TPS・格闘ゲーム15ms以下16ms ~ 30ms31ms以上
MMORPG・MOBA30ms以下31ms ~ 50ms51ms以上
ビデオ会議(Zoom等)50ms以下51ms ~ 100ms100ms以上
Web閲覧・動画視聴50ms以下51ms ~ 100ms100ms以上

FPSや格闘ゲーム(0ms ~ 15ms)

『Apex Legends』『VALORANT』『ストリートファイター6』のような、一瞬の判断が勝敗を決めるジャンルでは、PING値は最も重要です。
プロゲーマーや上位ランクを目指す人は、一桁台(個体値10ms未満)の環境を構築していることも珍しくありません。15ms以下であれば、撃ち合いで理不尽な負け方をすることはほぼないでしょう。50msを超えてくると、敵が瞬間移動して見えたり、弾が当たったはずなのにダメージが入らない「弾抜け」現象が起きたりします。

MMORPGやアクションゲーム(16ms ~ 50ms)

『ファイナルファンタジーXIV』や『原神』などのRPGでは、FPSほどシビアな数値は求められません。50ms程度までなら、スキルの発動が少し遅れる感覚はあるかもしれませんが、ゲームプレイ自体に大きな支障は出ないでしょう。ただし、高難易度のレイドバトルなど、タイミングよく攻撃を避ける必要がある場面では、30ms以下が望ましいです。

ビデオ会議や動画視聴(51ms ~ 100ms)

ZoomやTeamsでの会議、YouTubeの視聴などは、100ms程度でも問題なく利用できます。ただし、100msを超えると、会話のテンポが悪くなり「相手と言葉が被ってしまう」「映像が一瞬止まる」といったストレスを感じやすくなります。特に海外と通話する場合は物理的な距離があるため、200ms近くになることもありますが、これはある程度仕方のないことです。

PING以外に知っておくべき「Jitter」と「パケットロス」

PING値を測定する際、セットで確認してほしい重要な項目が2つあります。「Jitter(ジッター)」と「Packet Loss(パケットロス)」です。これらが悪いと、いくらPING値が良くてもラグを感じてしまいます。

Jitter(ジッター):数値の「揺らぎ」

Jitterは、PING値の「安定度」を表します。
例えば、PINGが常に10msで安定しているAさんと、5msのときもあれば100msに跳ね上がることもあるBさんがいたとします。平均値で見ればBさんのほうが良いかもしれませんが、ゲームプレイ中に突然カクつくのはBさんのほうです。
この「振れ幅」がJitterです。この数値は小さければ小さいほど良く、理想は「数ms以内」です。Jitterが高いと、突然画面が止まったり、キャラクターがカクカク動いたりします。

Packet Loss(パケットロス):情報の「消失」

パケットロスは、送ったデータ(パケット)が目的地に届かずに消えてしまう現象です。「%」で表され、理想は当然「0%」です。
これが起きると、撃った弾が消える、拾ったアイテムが拾えていない、最悪の場合はサーバーから切断されるといった致命的な問題が起きます。PING値が低くてもパケットロスが1%でもある場合は、回線設備やケーブルに物理的な問題がある可能性が高いです。

自分のPING値を測定する方法

改善を始める前に、まずは現状を把握しましょう。特別な機材は必要なく、ブラウザ上ですぐに測定できます。

スピードテストサイトを利用する

最も手軽な方法です。以下のサイトなどで測定できますが、測定サーバーの場所によって結果が変わる点に注意してください。

  • Googleのスピードテスト
    Google検索で「スピードテスト」と検索すると、検索結果の一番上に「速度テストを実行」という青いボタンが出ます。これを押すだけで簡易的なPING(レイテンシ)を測定できます。
  • Fast.com
    Netflixが提供しているサイトです。アクセスするだけで測定が始まります。「詳細を表示」をクリックすると、レイテンシ(アンロード時とロード時)が表示されます。
  • Speedtest.net (Ookla)
    非常に有名な測定サイトです。詳細なPING、ジッター、パケットロスなどを確認しやすく、ゲーマーによく利用されています。

ゲーム内のネットワーク表示を見る

多くのオンラインゲームには、設定で画面の隅にPING値をリアルタイム表示する機能があります。実際のゲームサーバーとの通信速度がわかるため、ゲーマーにとってはこれが最も信頼できる数値です。測定サイトでは10msと出るのに、ゲーム内では30msと出る場合は、ゲーム内の数値を正として考えてください。

PINGが悪くなる(高くなる)主な原因

なぜPING値が高くなってしまうのでしょうか。原因は大きく分けて「自宅内の環境」と「自宅外(回線事業者)の環境」の2つに分類できます。

自宅内の原因

  • 無線(Wi-Fi)で接続している:Wi-Fiは電波を使うため、電子レンジの使用や壁などの障害物、近所のWi-Fiとの電波干渉によって通信が不安定になりがちです。
  • ルーターが古い:ルーターの性能が低いと、大量のデータ処理に追いつけず、処理待ち(ラグ)が発生します。5年以上前のルーターを使っている場合は注意が必要です。
  • LANケーブルが古い:ケーブルにも規格(カテゴリ)があり、古い規格のものは通信速度の足を引っ張ります。
  • バックグラウンドでのダウンロード:ゲーム中に裏でWindows Updateやスマホのアプリ更新が走っていると、帯域が占有されPINGが跳ね上がります。

自宅外の原因

  • プロバイダの混雑:夕方から夜間(20時~24時)にかけて利用者が増えると、プロバイダの設備がパンク気味になり、遅延が発生します。
  • 物理的な距離:例えば日本の自宅からアメリカのサーバーに接続する場合、光の速さでも物理的な距離があるため、どうしても100ms~200ms程度のPINGがかかります。これは物理法則上、改善できません。
  • マンションの配線方式:マンションタイプの光回線で「VDSL方式(電話回線を利用)」の場合、光配線方式に比べてノイズが乗りやすく、PINGが高くなる傾向があります。

PING値を劇的に改善する5つの方法

ここからは、実際にPING値を下げるための具体的なアクションを紹介します。コストがかからない順、効果が高い順に解説していきます。

1. 【最強の解決策】有線LANケーブルで接続する

もし現在Wi-Fiでゲームをしているなら、有線LAN接続に切り替えることが最も効果的です。これだけでPINGが半分以下になることも珍しくありません。

Wi-Fiは便利ですが、空気中を飛ぶ電波は不安定で、パケットロスも起きやすい性質があります。一方、有線LANは物理的に繋がっているため、安定性が段違いです。部屋の構造上ケーブルを這わせるのが難しい場合でも、薄型の「フラットケーブル」を使ってドアの隙間を通すなど、工夫して有線化することをおすすめします。

LANケーブルの「カテゴリ」を確認しよう

LANケーブルには「CAT(カテゴリ)」という規格が印字されています。これを確認してみてください。

  • CAT5 / CAT5e:少し古い規格です。通信はできますが、ノイズ耐性が低めです。
  • CAT6:現在の標準的な規格です。
  • CAT6A最もおすすめです。 10Gbps対応でノイズ耐性も強く、家庭用としてはオーバースペックすぎず最適です。
  • CAT7 / CAT8:業務用の規格です。コネクタの形状が特殊(金属製)で、一般的な家庭用機器に使うと逆にノイズの原因になることがあるため、無理に選ぶ必要はありません。

迷ったら「CAT6A(カテゴリ6A)」と書かれたケーブルに買い替えましょう。

2. ルーターを再起動する・買い替える

ルーターはずっと電源を入れっぱなしにしていると、内部に熱やログが溜まり、動作が重くなることがあります。一度コンセントを抜き、1分ほど待ってから挿し直す「再起動」を試してみてください。これだけでPINGが改善することがよくあります。

また、ルーターが古い場合は買い替えを検討しましょう。特に「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」対応のルーターは、内部のCPU性能も高い傾向にあり、有線接続時の処理能力も向上しています。ゲーミングルーターと呼ばれる製品は、ゲームの通信を優先的に処理する機能(QoS)がついているため、さらに効果的です。

3. 「IPv6(IPoE)接続」を利用する

これは契約や設定に関わる部分ですが、効果は絶大です。

従来のインターネット接続方式は「PPPoE(IPv4)」と呼ばれ、夜間になると「網終端装置」という料金所のような場所で大渋滞が起きていました。これが夜のラグの主犯です。

新しい接続方式である「IPoE(IPv6)」は、この渋滞ポイントを通らず、直接インターネットに接続できるため、夜間でも高速かつ低遅延な通信が可能です。「v6プラス」や「transix」といったサービス名で提供されています。

  • 確認方法:契約しているプロバイダのマイページを見るか、「IPv6 接続確認」などで検索できるサイトにアクセスして、自分が現在どちらで接続しているか確認してください。
  • 対策:もしIPv4接続だった場合、プロバイダに連絡して「v6プラス(またはIPoE接続)を使いたい」と申請しましょう。多くのプロバイダでは無料で変更できますが、対応したルーターが必要になる場合があります。

4. 不要な通信を遮断する

ゲームや重要な会議の最中は、他の通信を極力減らしましょう。

  • 同一回線を使っている他の機器:家族が同じWi-Fiで高画質の動画を見ていたり、スマホが自動バックアップを行っていたりすると、帯域が奪われます。
  • PC内のバックグラウンドアプリ:ブラウザ(Chromeなど)で大量のタブを開いていたり、Steamなどのランチャーが裏でゲームのアップデートをしていたりしませんか?タスクマネージャーを確認し、不要なアプリは終了させましょう。

5. 最終手段:光回線(プロバイダ)を乗り換える

上記すべてを試しても改善されない場合、根本的な原因は「プロバイダの設備不足」や「建物の配線(VDSLなど)」にある可能性が高いです。

特に、オンラインゲームに特化した光回線(独自回線系)への乗り換えを検討してみてください。NTTのフレッツ網を使わない独自回線(NURO光やauひかりなど)や、ゲーマー向けに帯域を確保しているプロバイダ(GameWith光やhi-ho with gamesなど)は、一般的な回線に比べてPING値が低く安定する傾向にあります。

マンションなどの集合住宅でVDSL方式しか選べない場合は、思い切って「ホームルーター(5G)」を検討するのも手ですが、無線である以上PINGの安定性は有線光回線には劣ります。管理会社に許可を取って、戸建てタイプを部屋まで直接引き込む工事ができないか相談するのも一つの方法です。

まとめ:PINGを制する者がネットを制する

インターネットの快適さは、速度(Mbps)だけでは決まりません。特に「反応の良さ」を求めるのであれば、PING値(ms)と、その安定性(Jitter/パケットロス)に注目することが大切です。

今回の重要ポイントのおさらい

  • PINGは「応答速度」。数値が低いほど優秀。
  • FPSなどのゲームなら15ms以下、WEB会議なら50ms以下が目安。
  • PINGだけでなく「Jitter(揺らぎ)」と「パケットロス」も重要。
  • Wi-Fiから有線LAN(CAT6A)に変えるのが最も効果的。
  • 夜遅いならIPv6(IPoE)接続への切り替えを確認する。

まずはご自身の環境でPING値を測定することから始めてみてください。現状を知ることで、ケーブルを変えるだけで済むのか、プロバイダを見直すべきなのか、打つべき手が見えてくるはずです。

PING値を改善して、ストレスのない快適なインターネットライフを手に入れましょう。敵に撃ち勝つのも、スムーズな会議進行も、まずは「回線」からです。

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この記事を書いた人

ブログ運営者。日常の気づきから、言葉の意味、仕組みやトレンドまで「気になったことをわかりやすく」まとめています。調べて納得するのが好き。役立つ情報を、肩の力を抜いて発信中。

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