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私文書偽造とは?意味・成立要件・具体例・罰則までわかりやすく解説

契約書や同意書、領収書など、私たちの身の回りには多くの「文書」があります。

もしこれらを勝手に作ったり、内容を書き換えたりしたらどうなるのでしょうか。
その代表的な犯罪が「私文書偽造」です。名前は聞いたことがあっても、どこからが犯罪になるのか、どんな行為が該当するのかは意外と知られていません。
この記事では、私文書偽造の意味や成立要件、具体例、罰則、よくある誤解までを、法律の知識がない方にもわかりやすく解説します。

目次

私文書偽造とは何か

私文書偽造とは、他人名義の私文書を、権限がないのに作成したり、内容を変えたりする犯罪です。刑法に規定されており、社会生活における文書への信頼を守ることを目的としています。

ここでいう「私文書」とは、国や自治体などの公的機関が作成する公文書以外の文書を指します。個人や会社が作成する契約書、借用書、領収書、念書などが典型例です。

ポイントは、「文書の内容が嘘かどうか」ではなく、誰の名義で作られているか、正当な権限があるかという点にあります。

私文書偽造が成立するための要件

私文書偽造罪が成立するためには、主に次のような要件が必要とされています。

他人名義の文書であること

自分以外の人や会社の名義で作成された文書であることが必要です。
たとえば、他人の名前を使って契約書を作る場合がこれにあたります。

権限がないこと

本人からの委任や承諾など、正当な権限がないにもかかわらず作成・改変することが要件です。
逆に、正式な代理権がある場合は、原則として偽造にはなりません。

行使の目的があること

作成した偽造文書を、**実際に使うつもりであること(行使の目的)**も重要です。
作っただけで、誰にも使うつもりがなければ、原則として私文書偽造罪は成立しません。ただし、後述する別の罪に問われる可能性はあります。

私文書偽造と「虚偽記載」の違い

よく混同されやすいのが、「嘘の内容を書いたら私文書偽造になるのか?」という点です。

結論から言うと、内容が嘘でも、自分名義で作った文書であれば、原則として私文書偽造にはなりません

たとえば、自分が書いた借用書に、実際より多い金額を書いた場合、その内容は虚偽ですが、名義は自分です。この場合、私文書偽造ではなく、詐欺など別の犯罪が問題になる可能性があります。

私文書偽造で重視されるのは、「名義の冒用(なりすまし)」です。

私文書偽造に該当する具体例

私文書偽造にあたる行為を、具体例で見てみましょう。

他人の署名を勝手に書いた契約書

本人の了承を得ずに、他人の名前や署名を使って契約書を作成した場合、典型的な私文書偽造です。

会社名義の書類を無断で作成

会社の代表者でも担当者でもないのに、会社名義で見積書や契約書を作った場合も該当します。

借用書の名義を書き換えた

すでに存在する借用書の債務者や債権者の名前を、本人に無断で書き換えた場合も私文書偽造になります。

私文書偽造にならないケース

一方で、次のような場合は、原則として私文書偽造にはなりません。

本人の明確な承諾がある場合

「この契約書をあなたの名前で作っていい」と明確に依頼されている場合など、正当な権限があれば偽造にはなりません。

自分名義で作った文書の場合

内容が事実と異なっていても、自分名義で作成した文書は私文書偽造には該当しません。ただし、詐欺や横領など、別の犯罪が成立する可能性はあります。

私文書偽造の罰則

私文書偽造罪の罰則は、3か月以上5年以下の懲役と定められています。罰金刑はなく、比較的重い犯罪と位置づけられています。

さらに、偽造した文書を実際に使った場合には、「偽造私文書行使罪」が成立し、偽造罪と同じ罰則が科されます。多くのケースでは、偽造と行使がセットで問題になります。

私文書偽造が問題になりやすい場面

実務や日常生活で、特に注意が必要な場面もあります。

家族間・知人間の書類

「家族だから」「頼まれたから」と軽い気持ちで署名や押印を代行すると、後でトラブルになり、私文書偽造として問題視されることがあります。

会社での書類作成

社内であっても、正式な権限がないのに代表者名義の書類を作ると、犯罪になる可能性があります。慣習的に行われている場合でも注意が必要です。

私文書偽造が疑われた場合の対応

もし自分や身近な人が私文書偽造を疑われた場合、安易に判断せず、早めに専門家へ相談することが重要です。
事実関係や権限の有無によって、成立する犯罪や責任の重さは大きく変わります。

特に、行使の目的があったかどうか、本人の承諾があったかどうかは、判断の分かれ目になりやすいポイントです。

まとめ

私文書偽造とは、他人名義の私文書を、権限なく作成・改変し、使う目的を持つ行為を指します。内容が嘘かどうかよりも、「名義」と「権限」が重視される点が大きな特徴です。

日常の中でも、契約書や同意書を扱う場面は少なくありません。軽い気持ちで行った行為が、思わぬ犯罪につながることもあります。正しい知識を持ち、文書の取り扱いには十分注意することが大切です。

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この記事を書いた人

ブログ運営者。日常の気づきから、言葉の意味、仕組みやトレンドまで「気になったことをわかりやすく」まとめています。調べて納得するのが好き。役立つ情報を、肩の力を抜いて発信中。

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