住宅ローンやカーローン、カードローンの資料を見ていると必ず登場する「固定金利」。
名前から「金利が固定される」というイメージは持てても、「いつまで固定なの?」「変動金利より本当に安心なの?」と疑問を感じる人は多いものです。
この記事では、固定金利の基本からメリット・デメリット、変動金利との違い、利用時の注意点まで詳しく解説します。金融知識があまりない人でも理解しやすいよう、実例を交えながら丁寧にまとめています。
住宅ローン選びを控えている方はもちろん、金融の基礎を身につけたい方にも役立つ内容です。
固定金利とは?基本の仕組み
固定金利とは、契約した時点で決められた金利が一定期間ずっと変わらない方式の金利 のことです。
期間中は金利が上下することがなく、返済額も変わりません。
固定金利には2種類ある
一般的に「固定金利」と言っても、実は以下の2タイプがあります。
● 全期間固定金利
- 借入から完済までずっと金利が固定される方式
- 金利が一切変わらないため、長期的な返済計画が立てやすい
- フラット35が代表的な例
● 固定金利期間選択型(当初◯年固定)
- 5年、10年、20年など「一定期間だけ金利が固定」される方式
- 固定期間終了後は変動金利または固定金利を再選択
- 初期の安心感と低金利を両立できることが多い
同じ「固定」でも、期間が違えばリスクも特徴も大きく変わるため、選ぶ際は注意が必要です。
固定金利のメリット
固定金利には将来の金利変動から家計を守るためのメリットが多くあります。
1. 金利が変わらないので返済額が安定する
最も大きなメリットは 返済額がずっと一定 という点です。
特に住宅ローンのように借入期間が長い場合、返済額が変わらないことは家計管理上の安心感につながります。
2. 将来の金利上昇リスクを完全に避けられる
変動金利は金利が上がると返済額が大きく増えますが、固定金利ならそのリスクを回避できます。
特に今後金利上昇が予想される局面では、固定金利は大きな安心材料になります。
3. 長期的なライフプランが立てやすい
返済額が確定しているため、
- 子どもの教育費
- 車の買い替え
- 老後資金の準備
などの長期計画が立てやすくなります。
家計の安定を最優先する家庭には、固定金利はとても相性の良い選択肢です。
4. 初期の返済額が変わらないことによる心理的安心感
変動金利と比べると金利は高くなりやすいものの、「将来どうなるかわからない」という不安を抱えなくて済むため、精神的に楽だと感じる人も多いです。
固定金利のデメリット
安心感のある固定金利ですが、選ぶ前に注意すべき点もあります。
1. 変動金利に比べて金利が高め
通常、固定金利は変動金利よりも高く設定されます。
理由は「将来の金利変動リスクを金融機関が引き受けるため」です。
たとえば以下のような差があることもあります。
- 変動金利:年0.3〜0.7%
- 全期間固定金利:年1.0〜1.5%
借入額が大きいと、金利差によって総返済額が数百万円変わるケースもあります。
2. 金利が下がっても恩恵を受けられない
固定金利期間中に市場金利が下がっても、その低金利は適用されません。
変動金利なら恩恵を受けられる場面でも、固定金利ではそのまま変わらないため「損した気分になる」という人もいます。
3. 途中で金利を変更するには手続きと費用がかかる場合がある
固定金利期間中に変動金利へ変更したい場合、金融機関によっては
- 手数料
- 再契約手続き
- 審査
が必要になることがあります。
簡単に切り替えられない点はデメリットと言えます。
固定金利が向いている人・向いていない人
固定金利が向いている人
以下に1つでも当てはまる人は固定金利を選ぶメリットが大きいです。
- 家計の安定を最優先したい
- 毎月の返済額が増えるのは絶対に避けたい
- 金利動向をこまめにチェックするのが苦手
- 長期(20年〜35年)でローンを組む予定
- 教育費や老後資金など、将来の支出が見えている
特に子育て中の家庭や共働きで家計管理の時間が少ない家庭におすすめです。
固定金利が向いていない人
逆に以下の傾向がある人は変動金利のほうが向いています。
- 少しでも金利を低く抑えたい
- 繰上返済を積極的にする予定
- 借入期間が短い(10年以内など)
- 金利の動きをある程度チェックできる
固定金利は安心感の代わりに初期金利が高くなるため、「短期間で返す」「繰上返済が前提」の場合は変動のほうが費用を抑えられる可能性があります。
固定金利と変動金利の違い
金利の安定性
- 固定金利:ずっと変わらない
- 変動金利:半年ごとに見直される
家計管理のしやすさ
- 固定金利:予算を立てやすい
- 変動金利:上昇リスクがあるため予測しにくい
初期金利
- 固定金利:高め
- 変動金利:低め
総返済額の傾向
- 固定金利:安定するが高めになりやすい
- 変動金利:低金利が続けば安く済む
固定金利を選ぶときの注意点
1. 固定期間の長さを慎重に選ぶ
「当初10年固定」「20年固定」など、固定期間の選択はとても重要です。
- 期間が短い → 金利は安いが、終了後のリスクが大きい
- 期間が長い → 金利は高いが、安心感は大きい
固定期間終了後の金利がどうなるかは誰にも予測できないため、家計の安定性を考えて期間を選ぶようにすると失敗しにくくなります。
2. 金利優遇制度の内容を必ず確認する
固定金利には「店頭金利 − 優遇幅」で設定されるケースがよくあります。
- 今だけ優遇のキャンペーン
- ずっと優遇が続くプラン
これらの違いを理解しないと、将来的に返済額が大きく上がる可能性があります。
3. 返済シミュレーションを複数パターンで行う
固定金利は安心感が魅力ですが、金利が高めのため、
- 返済額
- 総返済額
- 繰上返済した場合の効果
などを複数パターンで必ず試算すると良いでしょう。
固定金利の代表例:フラット35
固定金利の中でも特に人気が高いのが フラット35 です。
これは「全期間固定」の代表的な住宅ローンで、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供しています。
フラット35の特徴
- 借入から完済までずっと金利が変わらない
- 団信加入が任意
- 返済中の繰上返済手数料が無料
- 金利は毎月見直される(借入時に確定)
固定金利の中でも安定性が高く、「将来の金利上昇が不安」「家計の安定を重視したい」という人に選ばれています。
金利動向から見る固定金利の位置づけ
日本は長期間にわたり低金利環境が続いていますが、近年は金融政策の見直しも進んでおり、長期金利の動きが以前より注目されやすくなっています。
固定金利は長期金利と連動する
固定金利は一般的に 長期金利(10年国債の利回りなど) をもとに決まります。
- 国債利回りが上がる → 固定金利が上がりやすい
- 国債利回りが下がる → 固定金利も下がりやすい
そのため、固定金利を検討する際には長期金利の動きも参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 固定金利は何年固定にするのが正解?
正解はありませんが、一般的には以下が目安です。
- 返済計画にゆとりがない → 長期固定
- ある程度の余裕がある → 当初10年固定も検討
- 繰上返済を積極的にする → 固定期間は短くてもOK
家計の安定性と将来の見通しに合わせて選ぶことが大切です。
Q2. 固定金利から変動金利に切り替えるのは簡単?
金融機関によっては可能ですが、手続きや手数料がかかる場合があります。
また切り替え時の金利が高くなっていることもあるため、慎重に判断しましょう。
Q3. 固定金利は本当に安心なの?
結論として「返済額を安定させたい人にとっては非常に安心」です。
ただし初期金利が高いため、返済負担を抑えたい人は変動金利との比較が必要になります。
まとめ:固定金利は「安定を求める人」に最適な選択肢
固定金利は、金利が変わらないという大きな安心感を与えてくれる金利タイプです。
特に、
- 長期でローンを組む
- 返済額が増えると家計が不安
- 安定した返済計画を立てたい
という人にとっては非常に相性の良い選択肢です。
一方で、初期金利が高めであることや、金利が下がったときの恩恵を受けられないといったデメリットもあります。
最終的には、「将来どのような返済計画を描きたいか」「どれだけ金利変動に対してリスクを許容できるか」が選ぶポイントになります。
固定金利の特徴をしっかり理解したうえで、自分の生活と資金計画に合った金利タイプを選んでいきましょう。

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