Amazonアソシエイトの「Product Advertising API(PA-API)」を利用している人にとって、2025年11月の規約改定はかなり大きなインパクトを与える内容でした。
これまで 180日以内に3件の売上 があればAPIを利用できていましたが、改定後は “過去30日以内に10件の売上” が必要に。
多くのブロガーやアフィリエイター、そしてRinkerやポチップの利用者から「急にエラーが出るようになった」と困惑の声が広がっています。
えり実際のエラーはこんな感じです。


この記事では、PA-API利用条件の変更点、背景にあるAmazonの動き、WordPressプラグイン側への影響、そしてあなたが今取るべき実践的な対策まで、丁寧にわかりやすく解説します。
PA-APIを使っている方はもちろん、今後のアフィリエイト戦略を考える上でも必読の内容です。
PA-APIとは?まずは基本をおさらい
PA-API(Product Advertising API)は、Amazonが提供している公式のAPIで、商品情報や価格、画像などを外部システムから取得するためのツールです。


PA-APIでできること
- キーワード検索に基づくAmazon商品情報の取得
- 商品の詳細データ(価格、画像、説明文など)の取得
- アフィリエイトリンクの自動生成システムへの組み込み
WordPressでは「Rinker」や「ポチップ」といった人気プラグインがPA-APIを利用しており、商品リンクを手軽に作れることから、多くのブログ運営者が依存しています。
PA-APIを使うために必要なスキル
Amazon自身が明言していますが、プログラミングの知識が基本的に必要です。
自動化処理や独自ツールを組む場面で威力を発揮するAPIなので、ある程度の技術力が前提となっています。
2025年11月に条件変更:30日間で10件の売上が必須に
今回の改定で最も大きいのは、PA-API利用条件が “180日以内に3件の販売” から、
“過去30日以内に10件の販売” に変更された点です。
この変更によって、これまで問題なくPA-APIを使えていた方でも、急に以下のエラーメッセージが出るようになりました。
Your account does not currently meet the eligibility requirements to access the Product Advertising API. AssociateNotEligible
実際、Rinkerやポチップで商品リンクを作ろうとしたときに突然このエラーが表示されたという報告が多数あります。
影響はかなり大きい
ブログの規模によっては
- 月に数万円の売上があっても「件数が足りない」
- 高額商品中心で件数が少ないケースは弾かれる可能性が高い
といった状況が生まれています。
特に、少数精鋭の商品を丁寧に紹介しているタイプのブログや、単価の高いアイテムを扱うアフィリエイターにとって、「10件」という件数のハードルはかなり高い数字といえるでしょう。



うちのブログは年30件、月6件でダメでした
なぜ突然条件が厳しくなったのか?背景にあるAmazonの動き
Amazonは、2026年1月から Selling Partner API(SP-API) に新たな料金体系を導入することをすでに発表しています。
SP-APIの新料金体系
- 年額 1,400ドル
- API利用量に応じた従量課金
PA-APIとは別のAPIですが、データ取得系API全体を取り巻くコスト構造が変わりつつあることがうかがえます。
考えられるAmazon側の意図
- APIの無制限利用や大量アクセスの抑制
- 販売実績のあるアソシエイトにAPI利用を限定したい
- 運用コストの引き上げに伴い、不必要なAPI利用を減らしたい
こうした流れの一環として、PA-APIの利用条件が厳しくなったと考えると整合性があります。
Rinker・ポチップの利用者が直面する問題
PA-APIの利用条件を満たさない場合、WordPressプラグイン側で次のような問題が生じます。
主なトラブル
- Amazonの商品検索ができない
- 商品データが更新できない
- 商品リンク生成時にエラーが表示される
- 既存リンクの情報更新時にエラー連発 → Amazon側からペナルティの可能性も
商品情報を定期更新する設定のままだと、繰り返しAPIエラーが発生し、最悪の場合アカウントに悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
Rinker・ポチップで取るべき対策
PA-APIが使えない状態が続く場合、まずやるべきことは「自動更新の停止」です。
Rinkerで商品情報の再取得を止める方法
WordPress管理画面から以下の操作を行います。
- 設定 → Rinker設定
- 基本設定(商品情報の再取得)
- 「再取得をしない」を選択して保存
これにより、自動でPA-APIにアクセスしてエラーを出すことを避けられます。


ポチップで自動更新を停止する方法
- ポチップ管理 → ポチップ設定
- 商品情報の定期更新・リンク切れチェック
- 「商品情報を自動更新する」のチェックを外す
この設定により、無駄にAPIにアクセスしてエラーが頻発する状況を防げます。
「Amazonリンクが作れない」場合の代替策
朗報として、RinkerもポチップもAmazonのAPIが使えなくても利用できます。
代替手段は楽天API
Rinker・ポチップはそれぞれ楽天APIと連携できるため、
- 楽天から商品検索してリンクを作成
- Amazon部分だけ手動でリンクを貼る
- もしくはAmazonリンクを省略する
といった運用が可能です。
特に、Amazonの売上件数が少ないブログの場合は、
- しばらく楽天中心で商品リンクを作成
- Amazonの売上が自然増で条件を満たすまで待つ
という運用が現実的です。


Amazonはリンクを生成して張ります


実際に設定するとこんな感じです
今後のアフィリエイト運営はどう変わる?
PA-APIの条件が厳しくなったことで、以下のような変化が予想されます。
① Amazon依存の運営はリスクが高まる
件数基準が設定されたことで、
- アクセス数の少ないブログ
- 単価が高すぎる商品を扱うブログ
はAPI条件を継続的に満たすのが難しくなる可能性があります。
② 複数ASP・複数ECサイトを組み合わせる運営が主流に
楽天・Yahooショッピング・Qoo10などを同時に扱うことで、
売上件数の安定を図る戦略が重要になります。
③ 手動リンクの活用も視野に入れるべき
PA-APIを使わなくても
- SiteStripeでリンク生成
- 手動でリンクを貼る
といった方法は従来通り可能です。
PA-API利用条件は“月10件”の時代に。柔軟な対応が必要
今回の規約変更は、個人ブロガーや中小規模サイトにとって、なかなか厳しい内容です。
しかし、以下のポイントを押さえておけば、運営を続ける上で大きな問題にはなりません。
- PA-APIは「過去30日間で10件の売上」が必須
- 条件を満たさない場合は自動更新をオフにする
- 楽天APIなど代替手段は十分にある
- Amazon依存を避け、複数の販売経路を活用する
PA-APIは便利ですが、Amazonの仕様変更は今後も続く可能性があります。
今回の改定を機に、自分のブログ運営やアフィリエイト戦略を見直す良い機会になるかもしれません。
少しでもこの記事が、
「急にエラーが出て困っている」
「どう対策すればいいかわからない」
という方の助けになれば幸いです。
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