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Diagnostic Policy Serviceとは

Windowsパソコンを日常的に使っていると、「サービス」という言葉を目にすることがあります。その中でも、「Diagnostic Policy Service(DPS)」は、Windowsがトラブルを検出し、原因を診断する際に欠かせない“裏方”の存在です。普段は気にすることがなくても、システムの安定動作を支える重要な役割を果たしています。この記事では、DPSの基本的な仕組み、停止するとどうなるのか、高負荷時の対処法などをわかりやすく解説します。


目次

DPS(Diagnostic Policy Service)の基本的な役割

Windows OSには数多くのサービスが常時動作していますが、その中でもDPSの役割は特に重要です。主な働きは以下の通りです。

  • システム内で発生したハードウェア・ネットワーク・ソフトウェアの問題を検出し、原因を診断する。
  • Windowsのトラブルシューティングツールなどが、問題を解析・修復するための情報を提供する。
  • システムの安定性や信頼性を保つため、常時バックグラウンドで動作し、異常を検出した際にログを記録する。

つまり、Diagnostic Policy Serviceは「Windowsの健康診断士」のような存在です。ユーザーが直接操作するものではありませんが、システムトラブルが起きた際に、見えないところで原因究明を支援してくれます。


なぜこのサービスが重要なのか

DPSは単なる診断ツールではなく、Windowsのトラブルシューティング機能の中核を担っています。このサービスが停止していると、次のような問題が発生します。

  • 「トラブルシューティングを実行できません」と表示され、診断が途中で止まる。
  • ネットワークやハードウェアのトラブルが起きたときに、原因を特定できなくなる。
  • システムログへの記録が途絶え、後から問題の原因を追跡することが難しくなる。

そのため、DPSは「停止してはいけないサービス」に分類されています。Windowsの安定運用のためにも、常に自動で起動している状態を維持することが推奨されます。


DPSの仕様と関連サービス

  • サービス名(表示名):Diagnostic Policy Service
  • システム内部名:DPS
  • 通常の起動設定:「自動(Automatic)」
  • 実行ファイルの場所:C:\Windows\System32\svchost.exe -k LocalServiceNoNetwork

また、DPSは単体で動いているわけではなく、関連する「診断ホスト」サービスと連携して機能します。主な関連サービスは以下の通りです。

  • Diagnostic Service Host(WdiServiceHost):診断処理を実際に実行するホスト。
  • Diagnostic System Host(WdiSystemHost):システム全体の診断フレームワークを管理。

これらのサービスが正常に動作していることで、DPSが正しく問題を検出・報告できるようになります。


DPSが高負荷になる・停止する原因とその影響

高負荷になる主な原因

タスクマネージャーで「Service Host: Diagnostic Policy Service」がCPUやディスクを大量に使用している場合、次のような要因が考えられます。

  1. ログファイルの肥大化
    DPSはシステムの診断情報を記録するため、長期間使い続けるとログデータベースが肥大化し、処理負荷が増加します。
  2. ネットワークやデバイスドライバのエラー
    接続トラブルが頻発していると、DPSが常に問題を監視・記録し続け、CPU使用率が上昇します。
  3. マルウェアや不正なプロセスの影響
    一部のウイルスはDPSを装って不正な動作をすることがあり、その結果として異常なリソース消費を引き起こす場合があります。

サービスを停止した場合の影響

DPSを停止または無効にすると、次のような問題が発生します。

  • Windowsの診断機能(トラブルシューティング)が利用できなくなる。
  • ネットワークやハードウェアの問題発見が困難になる。
  • 将来的な不具合時に、原因を特定するためのログ情報が残らなくなる。

そのため、「動作が重いから止めてしまおう」という判断は推奨されません。もしリソース消費が問題であれば、後述する手順で改善を試みるのが安全です。


DPSのトラブル対処法

DPSが停止していたり、高負荷状態になった場合は、以下の手順で対処します。

1. サービスの再起動

  1. 「Windowsキー + R」を押し、「ファイル名を指定して実行」を開く。
  2. 「services.msc」と入力して実行。
  3. 一覧から「Diagnostic Policy Service」を探し、右クリックして「プロパティ」を開く。
  4. 「スタートアップの種類」を「自動」に設定。
  5. サービスが停止中であれば「開始」をクリックして再起動。

これで多くの場合、診断機能が復帰します。

2. ログファイルのクリーンアップ

  1. サービスを一時的に停止する。
  2. フォルダ「C:\Windows\System32\sru」を開く。
  3. 中にある「SRUDB.dat」などのログファイルが非常に大きい場合は、削除または名前を変更。
  4. サービスを再起動する。

これにより、肥大化したログによる負荷が軽減されます。

3. Windows Updateとウイルススキャン

  • Windows Updateを実行し、最新の修正版を適用する。
  • 信頼できるセキュリティソフトでフルスキャンを実施し、マルウェア感染を排除する。

特に、不正なプログラムがDPSを装っているケースでは、セキュリティスキャンが有効です。

4. 一時的にDPSを無効化する場合(注意点)

DPSを無効化すると確かにリソース使用量は減りますが、診断機能が完全に使えなくなります。したがって、無効化は一時的なトラブルシューティング目的に限るようにしましょう。問題が解決したら、必ず「自動」に戻すことをおすすめします。


DPSを停止しないほうがいい理由

  • Windowsのトラブルシューティングが動作しなくなる。
  • ネットワーク接続の問題解決が困難になる。
  • サポートを受ける際に、ログ不足で原因を特定できなくなる。
  • システムの安定性や信頼性が低下する。

これらの理由から、DPSは「無効化すべきではないサービス」として位置づけられています。もしシステムが重い場合は、まずログ整理や再起動で対応し、停止は最終手段と考えてください。


Diagnostic Policy ServiceはWindowsの“縁の下の力持ち”

Diagnostic Policy Serviceは、Windowsが自動的に問題を検出し、解決に導くための中核的なシステムサービスです。普段は目立たない存在ですが、ネットワークエラーやシステム異常が起きたとき、的確な原因特定を可能にしてくれます。

DPSを無効にすると、トラブルの診断が難しくなり、結果的に復旧までの時間が長引く恐れがあります。高負荷やエラーが出た場合も、慌てて停止せず、サービスの再起動やログ整理などで様子を見ましょう。

「DPSが正常に動いている=Windowsが自分で健康診断を続けている」と考えると、その重要性が理解しやすいでしょう。

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