写真や映像を撮るとき、「もっとシャッタースピードを遅くしたいのに白飛びしてしまう」「動画の動きがカクカク見えて不自然」といった悩みを経験したことはありませんか?
そんなときに活躍するのが NDフィルター です。この記事では、NDフィルターの基本から、数値の見方、そして実際にどういうシーンで使えるのかをわかりやすく解説していきます。これからNDフィルターを導入したい方、数字の意味を理解して使い分けたい方の参考になる内容です。
NDフィルターとは?
NDフィルター(Neutral Density Filter)とは、レンズの前に装着して光の量を減らすためのフィルターです。
サングラスのような役割を果たし、カメラのセンサーに届く光をコントロールすることで「明るすぎる環境でも露出を調整しやすくなる」のが大きな特徴です。
光を減らすと、以下のような撮影が可能になります。
- 明るい昼間でもシャッタースピードを遅くできる
- 開放F値(ボケ感)を保ったまま撮影できる
- 動画撮影で自然な動き(モーションブラー)を再現できる
NDフィルターの数値の見方
NDフィルターには「ND2」「ND4」「ND8」といったように数値が表記されています。これは どのくらい光を減らすか を示しています。
ND数値の基本
- ND2 … 光を1/2に減らす(1段分暗くする)
- ND4 … 光を1/4に減らす(2段分暗くする)
- ND8 … 光を1/8に減らす(3段分暗くする)
- ND16 … 光を1/16に減らす(4段分暗くする)
つまり、数字が大きいほど暗くなり、強力に光をカットします。
光量を減らす段数(ストップ数)
写真の世界では「○段分暗くする」と表現することが多いです。
例えば、ND8は3段分暗くできるので、シャッタースピードを通常よりも8倍遅くできる計算になります。
| NDフィルター | 減光効果 | 段数(ストップ数) |
|---|---|---|
| ND2 | 1/2 | 1段 |
| ND4 | 1/4 | 2段 |
| ND8 | 1/8 | 3段 |
| ND16 | 1/16 | 4段 |
| ND32 | 1/32 | 5段 |
| ND64 | 1/64 | 6段 |
| ND1000 | 1/1000 | 約10段 |
シチュエーション別 NDフィルターの使い方
NDフィルターはただ「光を減らす」だけではなく、撮影表現の幅を広げるアイテムです。ここからは実際のシーンを挙げながら解説します。
長時間露光(滝や川の流れをスムーズに)
昼間の明るい時間帯に滝や川を撮影すると、シャッタースピードを遅くできず、水の流れが止まって写ってしまいます。
NDフィルターを装着すれば、シャッタースピードを1秒以上にできるため、水の流れが「絹のように」滑らかに表現できます。
おすすめ:ND64以上
昼間のポートレート撮影(背景を大きくぼかす)
明るい屋外でF1.8など大きな絞りを使うと、露出オーバーになってしまいます。
NDフィルターを使えば、光量を抑えて開放F値を保てるため、背景を大きくぼかした写真が撮影可能です。
おすすめ:ND4〜ND16
動画撮影(自然な動きの表現)
動画は「シャッタースピード=フレームレート×2」が基本とされています。
例えば30fpsなら1/60秒が理想ですが、昼間だと明るすぎて白飛びします。NDフィルターを使えば、適切なシャッタースピードを保ちつつ、自然なモーションブラーを再現できます。
おすすめ:可変NDフィルター(ND2〜ND400など調整可能なタイプ)
日食や強い光源の撮影
ND1000のような超強力なフィルターは、日食や太陽光を使った特殊撮影に使われます。ただしセンサーや目を傷める危険があるため、専用フィルターを選ぶ必要があります。
固定NDフィルターと可変NDフィルター
NDフィルターには大きく分けて2種類あります。
- 固定NDフィルター … ND8、ND16など決まった濃さのフィルター。画質が安定しやすい。
- 可変NDフィルター … 濃さを回して自由に調整できる。動画撮影や状況が変化する撮影に便利。ただし強くかけると色ムラが出やすい。
初心者にはまず 可変NDフィルター が扱いやすいですが、風景撮影で高画質を求めるなら固定NDを複数持つのもおすすめです。
えり数値でどれくらいの写真が撮れるのか体感でわからなかったので
可変式のNDフィルターを買いました!
また、今度使用感をレビューしてみようと思います
NDフィルターを選ぶときの注意点
- レンズ径に合ったサイズを選ぶ
フィルター径(例:φ67mm)を確認して購入しましょう。 - 画質への影響
安価なNDフィルターは色かぶり(青や緑っぽくなる)が発生しやすいです。信頼できるメーカーを選ぶと安心です。 - 用途に応じた濃さを選ぶ
滝や海 → ND64〜ND1000
ポートレートや動画 → ND4〜ND16(可変ND推奨)
まとめ
NDフィルターは「光を減らす」シンプルな道具ですが、使い方を理解すると表現の幅が大きく広がります。
- ND数値は「どれくらい光をカットするか」を示す
- ND2 → 1段分、ND8 → 3段分、ND1000 → 約10段分
- 滝や川の流れ、昼間のポートレート、動画撮影などで活躍
- 固定NDと可変NDの特徴を理解して選ぶことが大切
これからNDフィルターを試す方は、まずは可変NDで気軽に始めてみると良いでしょう。その上で、シーンに合わせて固定NDを追加すれば、より幅広い表現が可能になります。







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