人としての誇りや信念を持つことは、どんな時代でも大切にされてきました。そんな「誇り」や「自尊心」を表す言葉のひとつが「矜持(きょうじ)」です。
この記事では、「矜持とは何か?」をわかりやすく掘り下げながら、その使い方や類語、現代社会での活かし方までを詳しく紹介します。
矜持の意味
「矜持」とは、自分の能力や信念に誇りを持ち、それを大切に守ろうとする心を意味します。
言い換えると、「自分の信じる道を貫く強い意志」や「自分に対する誇り」ともいえます。
辞書的な定義
『広辞苑』では、矜持は以下のように説明されています。
自分の能力や地位などに自信と誇りを持つこと。また、その気持ち。自尊心。
つまり「矜持」は、単なるプライド(自慢心)ではなく、自分を律する気高さや節度を保つ姿勢を含む言葉です。
矜持の語源と由来
「矜持」という漢字を分解すると、次のような意味があります。
- 矜(きょう):あわれむ、慎む、誇りを持つ
- 持(じ):保つ、支える
つまり、「矜持」は直訳すると「誇りを持って保つ」という意味になります。
古くは中国の古典にも使われており、「自分を律して尊厳を守る」という意味で使われていました。
日本でも古来から、武士や学者などが「己の矜持」を重んじる文化があり、「誇りを持つこと」は人格の根幹とされてきました。
「矜持」と「プライド」「自尊心」との違い
一見すると似た言葉に「プライド」「自尊心」「誇り」がありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。
以下の表で違いを整理してみましょう。
| 言葉 | 意味 | 特徴・ニュアンス |
|---|---|---|
| 矜持 | 自分の信念・誇りを持ち、節度を保つ姿勢 | 内面的で静かな強さ |
| プライド | 自分に対する誇りや自信 | 英語由来でやや感情的・外向的 |
| 自尊心 | 自分を大切に思う心 | 精神的な健康や自己評価に関係 |
| 誇り | 他者に対して胸を張れる感情 | 成果や所属への満足感も含む |
「矜持」はその中でも特に、内面的で静かな誇りを意味する言葉です。
外にアピールするのではなく、自分の中で貫く強さを指すのが特徴です。
矜持の使い方と例文
一般的な使い方
矜持は、ビジネスシーンや文章表現などでよく使われます。
やや硬い言葉なので、会話というよりも文章やスピーチなどで用いられることが多いです。
例文
- 医師としての矜持を胸に、どんな患者にも誠実に向き合う。
- 彼は自分の矜持を捨ててまで妥協することはなかった。
- 職人たちは伝統を守る矜持を持ち続けている。
- 困難な状況でも矜持を保ち、冷静に対応した。
- 彼女の言葉には、プロとしての矜持がにじんでいた。
このように、「矜持」は自分の信念を守る強さを表すときに使われます。
「矜持を持つ」とはどういうことか
「矜持を持つ」とは、単に誇り高くあるという意味ではなく、
自分の信念を曲げずに、誠実であり続ける覚悟を持つことです。
例えば、
- 他人に流されず、自分の価値観を貫く
- 難しい状況でも正しい行動を選ぶ
- 損得よりも信義を優先する
こうした姿勢こそ、「矜持を持つ」生き方です。
つまり矜持とは、自分に恥じない生き方を選び取る力といえるでしょう。
ビジネスでの「矜持」の使われ方
現代のビジネスシーンでも「矜持」は重要な概念です。
特に以下のような文脈で使われます。
- プロとしての矜持
→ 自分の専門性や仕事の品質に誇りを持つ姿勢 - 企業の矜持
→ ブランドや理念を守るための行動原則 - チームの矜持
→ 組織としての信念や文化を大切にする心構え
たとえば、老舗企業が「私たちは創業以来の矜持を大切にしています」と言えば、
それは「伝統や品質への誇りを守り続けている」という意味になります。
矜持を持つことのメリット
1. 自己肯定感が高まる
自分の信念を貫くことで、自信と安定した自己評価を得られます。
2. 周囲から信頼される
信念を持って行動する人は、一貫性があり信頼されやすくなります。
3. 逆境に強くなる
矜持を持つことで、困難な状況でも「自分が選んだ道」として耐え抜く力がつきます。
4. 人生に芯が生まれる
他人や状況に振り回されず、自分の価値観を軸に行動できるようになります。
矜持を持つための心構え
矜持は、生まれつき持っているものではなく、日々の選択や行動の積み重ねで育まれます。
次のような心構えが大切です。
- 自分の信念を明確にする
何を大切にしたいのか、どんな生き方をしたいのかを自分の言葉で整理しましょう。 - 小さなことでも誠実に行動する
約束を守る、感謝を伝えるなど、日々の誠実さが矜持を形づくります。 - 他人と比べない
他人との比較ではなく、「昨日の自分より成長できたか」を基準にしましょう。 - 間違いを恐れず、学び続ける
矜持は「完璧であること」ではなく、「真摯であること」。
失敗から学ぶ姿勢こそが本当の強さです。
「矜持」を英語で言うと?
「矜持」に完全に一致する英語はありませんが、近い表現はいくつかあります。
| 英語表現 | 意味 |
|---|---|
| pride | 誇り、自尊心(一般的な意味) |
| dignity | 品位、威厳、尊厳(内面的な強さ) |
| self-respect | 自尊心、自分を尊重する心 |
| integrity | 誠実さ、信念を守る心 |
文脈によって使い分けますが、
「矜持を持つ人」を表したい場合は “a person with dignity and integrity”(品位と誠実さを持つ人)
といった表現が適切です。
現代における「矜持」のあり方
SNSや情報が溢れる現代では、他人の価値観に左右されやすく、
「自分らしさ」や「誇り」を見失いがちです。
そんな時代だからこそ、矜持を持つことは重要です。
自分の信念を守りつつ、他人を尊重する姿勢を忘れない。
それが現代的な「矜持」の形といえるでしょう。
矜持とは、静かに燃える「心の誇り」
「矜持」とは、
他人に見せるためではなく、自分の中で貫く誇りのこと。
それは、どんな困難の中でも「自分に恥じない行動を選ぶ力」です。
派手ではないけれど、深く静かに光る強さ。
その強さこそが、人としての真の魅力を形づくります。

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